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公明の「首相降ろし」再び

読み解く 政治 曽我豪(編集委員)
公明の「首相降ろし」再び

 唐突な福田首相の辞任表明ではあったが、公明党・創価学会の「圧力」が引き金の一つだったのは間違いない。「福田首相のままで選挙に勝てるか」。首相交代劇の幕を開く役回りを担ったのは、やはり総選挙を見据えて、しゃにむに定額減税の方針を決めさせたこの連立与党なのであった。


 似たことは7年前の「森降ろし」でもあったはずだと、当時の朝日新聞の検証記事を読み返してみたのだが、どちらがいい政治かは別にして、今より昔の方がずっと手が込んでいたのだった。時系列で記すと--

 ①00年12月末、公明党の神崎武法代表が自民党の野中広務氏と会談、森喜朗首相交代のタイミングはKSD事件や不安定な株価など各種危機が重なる「3月」に訪れるとの認識で一致。

 ②01年1月、創価学会の秋谷栄之助会長が野中氏と古賀誠幹事長、青木幹雄参院幹事長と会談、このままでは自民党への選挙協力は困難と伝達。

 ③2月、米原潜をめぐる森首相の対応を神崎氏が批判。森内閣の支持率が9%に急落したことを受け、森派の小泉純一郎会長が青木氏と会談、森首相が自民党総裁選前倒しの腹案を持っていると伝達。

 ④そして3月、森首相が自民党5役との協議で、正式に総裁選の前倒しを表明。

 --結局、その前倒し総裁選に森氏が出馬しないという仕掛けで首相辞任劇は完了するのだが、公明党・創価学会が選挙協力というカードをちらつかせて首相交代の狼煙(のろし)を上げる点は今回と似ているとしても、舞台回し役として自民党の衆参幹事長や派閥の実力者たちと密接に連携しつつ空気を醸成し、シナリオを練り上げていった点は今回と大きく異なる。

 もっとも、そうした「密室協議」に対する世論の目は昔より厳しくなったし、何よりそれが成り立つ実力者政治の時代でもあるまい。そもそも舞台回しのキーマンたる自民党幹事長について福田首相に忠実な伊吹文明氏の交代を願ったとしても、後釜に「ポスト福田」の当事者であるはずの麻生太郎氏の出番を想定するよりほかなかったあたりに、公明党・創価学会の今回の苦渋がにじんでいた。

 衆院の任期満了前に絶対負けられない東京都議選を抱え、矢野絢也元委員長の国会喚問・招致をその前にぶつけられたらおおごとなのは明らかだが、果たして早期解散・勝利の荒業を成功させることができるか。しかも、そこまでしておいて、総選挙で民主党に負けたから自民党にハイさようならとそうそう簡単には言えまい。ルビコンを渡るか橋のたもとで引き返すか、何とも大変な選択の秋である。(朝日新聞2008年9月6日付be on Saturday Business b2)
posted at 08:31:52 on 09/06/08 by suga - Category: Politics

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コメント

suga wrote:

やっぱり、丸数字の表示は、機種依存文字だから、だめだなあ。
09/06/08 08:33:23

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