suga's blog 徒然なるままに
とりとめのないことを、徒然なるままに、書き留めておこうかと思います。

都税1400億円投入の新銀行東京 賛成した政党に責任

’09政治を変える

都税1400億円投入の新銀行東京 賛成した政党に責任

公認会計士 井上徹二さん

 石原慎太郎東京都知事がトップダウンで設立し、経営破綻状態に追い込まれている「新銀行東京」問題について、公認会計士の井上徹二氏に聞きました。(聞き手・岡部裕三)

 新銀行東京は2009年3月期決算で、105億6500万円の純損失をだし、4年連続して巨額な赤字を出しました。

 新銀行は、当期損失が再建計画より少ないと説明しています。しかし、国債の償還益や社債買い入れ消却益、事業再構築引当金取崩益で41億円の赤字減らし処理をするという、苦し紛れの益出しをした結果、損失額を減らしたにすぎません。赤字決算は体質的となっています。

 同行の3月末の純資産は462億円に減り、昨年の追加出資400億円を除けば62億円となり、「ウルトラC」を出さない限り赤字がふくらみ、今期中に追加出資分に食い込む可能性が十分あります。

 ■ □

 また3月末の融資保証残高は前期より約400億円も減少し、銀行としての貸し出し機能が衰退しています。中小企業への貸出金残高比率はわずか30.6%となり、中小企業支援という新銀行東京設立の目的は全く失われています。

 石原知事は、経営破綻の責任を旧経営陣に全面的に転嫁しています。破綻の直接的責任は新銀行の経営者にありますが、設立を計画し基本的枠組み(新銀行マスタープラン、04年)を定め、これを自ら任命した旧経営陣に押し付けた石原知事と都幹部にも大きな責任があります。

 銀行業は営利を追求する収益事業であり、「住民の福祉の増進」をはかるという地方自治体の理念に反しています。新銀行東京に対して、地下出資も含め1400億円もの膨大な公金を出資して浪費し、都と都民に損害を与えた石原知事らの責任は逃れられません。

 新銀行が2月発表した外部調査報告書は、旧経営陣の責任を強調することによって、石原知事らの責任をカムフラージュしようとしたものです。

 ■ □

 また、3月都議会で定めた「金融支援」条例(注=自民、民主、公明が賛成、日本共産党は反対)は、間接的な新銀行支援策といえます。新銀行の貸付先、保証元の企業や金融機関を支援することによって新銀行の不良債権の解消などを企図したものだと考えます。

 中小企業の金融支援ならば、制度融資、利息の減免補助、信用保証料の補助などの予算措置を講じればよいのであり、金融支援条例など必要はありません。新銀行設立と出資に賛成し、大きな損害を与えた都議会の自民党、民主党、公明党も責任が問われるでしょう。

 新銀行に一貫して反対してきた日本共産党が都議選で伸びれば、新銀行の破綻処理の進展に大きなインパクトを与えると思います。

 存在理由を失った新銀行東京は、一刻も早く清算処理することが必要です。(しんぶん赤旗2009年6月18日付首都圏13面)
posted at 13:56:29 on 06/19/09 by suga - Category: Politics

コメントを追加

:

:

コメント

No comments yet

トラックバック

TrackBack URL