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ミャンマー総選挙に不参加 スー・チーさんの政党NLD

ミャンマー総選挙に不参加 スー・チーさんの政党NLD

 【バンコク=山本大輔】ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんが書記長を務める最大野党・国民民主連盟(NLD)は29日、ヤンゴンの党本部で中央執行委員会を開き、軍事政権が年内に予定している総選挙は「公正さを欠く」として、全会一致で不参加を決めた。

 最大の民主化勢力が参加しない総選挙の正当性を欧米諸国が認める可能性は低く、軍政主導の「民主化プロセス」は大きくつまずく。軍政が今月8日に制定した政党登録法は、法制定から60日以内に総選挙に向けた登録をしない場合には政党として存在できないと定めており、NLDは5月上旬に政党としての地位を失うことが確実になった。

 NLDによると、委員会には自宅軟禁中のスー・チーさんから書簡が寄せられた。書簡のなかでスー・チーさんは「選挙関連法の内容は非民主的で、この法律に基づく政党登録はできない。NLDは過去に登録を終えている既存政党で、再登録しなくても政党資格を失うことはないと考えている」と主張したという。

 党内にはこれまで選挙参加を求める声もあったが、スー・チーさんが反対の意思を繰り返し鮮明にしたことで、中央執行委員会の不参加決定は全会一致となった。欧米諸国などはNLDの参加を「公正な選挙」の重要な判断材料にしており、軍政主導の総選挙の不当性を訴えるには、不参加が最も有効な手段だとの判断もあるとみられる。

 軍政は新たに定めた選挙関連法で、立候補できるのは「禁固刑に服していない者」と規定し、自宅軟禁中のスー・チーさんを排除した。今回の決定で、NLDは改めてスー・チーさん抜きの選挙は受け入れられないという姿勢を示した。一方、軍政側が政党登録期限までにスー・チーさんを解放する可能性はきわめて低い。

 欧米諸国などは、国際社会として軍政に圧力をかけ、スー・チーさんの解放やNLD参加の道を開きたい意向だが、中国など「内政不干渉」を主張する国もあり、国際社会が結束するのは難しい。

 NLDは1990年の総選挙で圧勝したが、軍政は結果を認めなかった。その後軍政は独自の民主化の行程を発表した。軍政は今年予定の総選挙をへて民政移管を果たすとしている。(朝日新聞2010年3月29日19時29分)
posted at 14:32:45 on 03/30/10 by suga - Category: World

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