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喫煙率23.9%、15年連続で最低更新 JT調べ

喫煙率23.9%、15年連続で最低更新 JT調べ

朝日新聞2010年8月13日10時0分

 日本たばこ産業(JT)の調査で、2010年の喫煙率は前年より1ポイント下がって23.9%となった。禁煙場所の増加や10月からの値上げ前にやめる人もいて、15年連続で過去最低を更新した。JTは「喫煙の規制強化や高齢化もあって、今後も減少傾向が続く」とみている。

 男女別の喫煙率は、男性が前年比2.3ポイント減の36.6%、女性が同0.2ポイント増の12.1%。喫煙者の推計値は男性が1840万人、女性が655万人。「毎日吸う」人の1日あたりの平均本数は、男性20.5本(前年21.3本)、女性16.1本(同15.9本)となった。

 たばこは10月1日から過去最大の値上げが決まっており、JTの代表的銘柄のマイルドセブンは現行の300円から410円になる。販売量は値上げ後の1年間で25%程度減ると見られており、喫煙者の減少が加速しそうだ。

 5月に全国の3万2千人を対象に調査し、64%から有効回答があった。



私の視点

肺がん検診 喫煙者に公費負担はやめよ

国立がん研究センター中央病院呼吸器腫瘍科医師 金子昌弘(かねこ・まさひろ)

 喫煙が本人の肺がんや心筋梗塞の原因になることは、日本たばこ産業(JT)が商品の包装に明記しているように、販売者も認める事実だ。有害とわかって続けるのは自傷行為であり、喫煙は長期にわたる自傷行為にほかならない。

 点火部から立ち上る副流煙は、周囲の人に、ぜんそくや化学物質過敏症、発がん、心筋梗塞などの危険を及ぼすことも明らかになっている。広い意味で、他人の身体に危害を加える行為といえないだろうか。喫煙はポイ捨てによる火災や脇見運転による交通事故につながり、喫煙者は失火や運転過失致死傷の危険とも隣り合わせだ。

 アンケートによれば、喫煙者の約7割が禁煙を試み、その効果も自覚しているが、大半は失敗に終わってしまう。ニコチンの影響はそれほど強い。個人の意志だけに頼る禁煙は難しいが、それを支援するニコチンガムやパッチは薬局で買える。健康保険で禁煙補助薬が処方できる禁煙外来も少なくない。喫煙は単なる習慣ではなく、厚生労働省も認める、れっきとしたニコチン中毒という「病気」なのだ。

 日本人の死亡原因の1位はがん。そのうち一番多いのが肺がんで、年間7万人近くが亡くなり、その7割が喫煙者だ。早期発見のための肺がん検診は、X線写真と喫煙者への喀痰細胞診という形で実施され、最近は精度の高い低線量CTも一部で導入されている。喀痰検査の対象を絞り込むため、検診時に喫煙歴を問われるが、問診票に「喫煙中」と書いた人は、「病気」と答えたのと同じ。喫煙者には健診よりも、ニコチン中毒という病気を治療してもらうことが先決だ。

 人々ががん検診を受ける背景には、早期に発見して治療を受け、その病気では死にたくない、という動機があるはず。肺がんの最大の原因は喫煙だから、肺がんで死にたくなければ、喫煙をやめて、肺がんにかからないようにすることが一番だ。

 肺がんは感染症とは違い、完全に治っても、再発の可能性がなくなるわけではない。むしろ、原因が残る限り、何度でも発生し、新しいがんが次々にできることもある。どんなに精度の高い肺がん検診を受けていても、喫煙をやめなければ、ざるで水をすくうようなもので、肺がんによる死亡は減らせない。

 非喫煙者も、率は低いが、肺がんは発生する。喫煙者に発生するがんに比べれば、発育の遅い種類が多い。だから、非喫煙者に対する検診は、数年に1回程度、精度の高い低線量CTによる検査を実施すれば十分と思われる。喫煙継続者に対する公費負担の肺がん検診は、即刻中止し、浮いた経費を禁煙治療の充実や、非喫煙者や禁煙者に対する精度の高い検診に充当することを提案したい。(朝日新聞2010年8月13日付オピニオン9面12版)
posted at 13:18:17 on 08/13/10 by suga - Category: Health

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