動2013:参院審議入り
毎日新聞 2013年11月28日 東京朝刊
共産・仁比氏の「警鐘」に議場拍手
「国民に不安や懸念があることを、政府は真摯(しんし)に受け止めなければならない」(自民党の宇都隆史氏)
「不安を取り除く、丁寧かつ誠実な説明が求められている」(公明党の矢倉克夫氏)
27日午前10時に始まった参院本会議では、この日審議入りした特定秘密保護法案を巡る政府対応に与党から次々と苦言が呈された。
閣僚席に深く腰掛けた安倍晋三首相は、時に腕を組んだり、目を閉じたりして質問を聞いた。与党と共同で法案を修正したみんなの党の真山勇一氏も慎重審議を求め、他の野党議員からは「みんなの党も反対だな」とヤジが飛んだ。
衆院の「採決強行」イメージを払拭(ふっしょく)したい与党は、本会議前の公明党参院議員総会で、長沢広明参院国対委員長が「さまざまな『見え方』はあるが、法案は穏やかな状況で採決された」と強調。しかし、参院側には、衆院での拙速な対応への不満が強い。
参院本会議場で首相の声は小さく、法案の内容に触れる際は用意された原稿の棒読みが目立った。「適正な運用を確保する重層的な仕組みが、さまざまに……」。民主党の桜井充政調会長への答弁は怒号でかき消された。
騒然とする議員席が静まったのは、共産党の仁比聡平氏が質問した時だった。「同僚議員の皆さんに警鐘を鳴らしたい。この法案は国会議員をも処罰対象にしている。巨大な行政権力・官僚機構に断固迫ってこそ、国会議員ではないのか」。議場への呼びかけに、野党席を中心に大きな拍手が起きた。