suga's blog 徒然なるままに
とりとめのないことを、徒然なるままに、書き留めておこうかと思います。

今、安穏としていられない

発言09 今、安穏としていられない

映画監督 神山征二郎さん

 こうやま・せいじろう 1941年岐阜県生まれ。代表作に、「ハチ公物語」「月光の夏」「ひめゆりの塔」「郡上一揆」「大河の一滴」など。「鶴彬(つるあきら) こころの軌跡」は東京・ポレポレ東中野で上映中。順次各地で。問い合わせ☎058(263)3334同映画製作委員会

 「北辰斜めにさすところ」「ラストゲーム 最後の早慶戦」「鶴彬 こころの軌跡」と3作続けて、戦争を描いた作品を撮りました。意図的にそうしたわけではないんですが、危機感があって、安穏としていられないんですよ。

 今すぐ作ろう

 最新作は、反戦・反権力を貫いた川柳作家・鶴彬の生涯を描いたドキュメンタリー・ドラマ映画です。「手と足をもいだ丸太にしてかへし」「万歳とあげて行った手を大陸において来た」。1909年に生まれた彼は、こういう句を作って、戦争へ突き進む国を批判しまくりました。

 鶴彬の出身地である石川県の皆さんが中心になって、彼の生誕100年を記念して、映画の企画を進めていたんですが、監督を頼まれた当初、私は鶴彬を知りませんでした。しかし送ってもらった資料を読んで、これは今すぐ作って世に送り出した方がいいという気がしたんですよね。5年先ではいけない、今だと。

 戦後六十数年たっても保守系の議員は、あの戦争を反省していません。平気で核武装論を唱えたり、日本が他国を侵略した事実を認めず、「自虐史観」と批判したり。日米安保条約のもとで米軍再編の動きもありますし、油断もすきもない。かつての戦争時代への郷愁を感じさせるような映画が、近年ポツポツ出てきているのも気になります。

 甘く見るなと

 鶴彬は世の中がよく見えていた人だと思うんですよ。今だけでなく、先々まで見通していた。そういう目をもった人は、当時の国にとっては邪魔ですから、治安維持法という法律で排除された。治安維持法違反で検挙され、留置所で赤痢にかかり、鶴彬は29歳の若さで獄死しました。

 今の日本に、治安維持法ほどの悪法はありませんが、ビラを配っただけで罪に問われてしまうじゃないですか。冗談はやめろと言いたいけれど、権力は本気でやってきているわけですよ。

 人に物を言わせないというのは、それ自体が暴力です。いま比例定数削減を自民党・民主党が唱えていますが、これも少数政党にものを言わせないという企(たくら)みですね。

 そろそろ解散・総選挙になりそうだと、昨年の10月にも「赤旗」の1面のインタビューに出ました。そのとき「共産党がなければ、日本は闇」と話しましたが、その気持ちは今も変わっていません。本当の民主主義、デモクラシーを実現してくれるのは共産党だと思っていますよ。

 政府の仕事は、国の予算をどう動かすかということ。医療や教育。ここは、お金をもうけようとしてはいけない分野です。いい予算の使い方をするのはどの政党なのか。そこをよく考えて投票権を行使したいですよね。

 人気取りで高速代を1000円にしたり、党首をすげかえたりしていますけどね、国民を甘く見るなと、知らしめなければいけませんね。聞き手 田中佐知子/写真 縣章彦(しんぶん赤旗2009年7月19日付1面)
posted at 13:30:54 on 07/19/09 by suga - Category: Politics

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