suga's blog 徒然なるままに
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視点 国際社会は民主化支援を

視点 国際社会は民主化支援を

上智大学教授(ビルマ近現代史) 根本敬氏

 軍政の選挙目的は「軍が統制・監視できる議会制民主主義」を完成させることだ。

 選挙は、軍政の翼賛政党の連邦団結発展党(USDP)が優位に進めている。また、2年前に強硬に制定した新憲法下では、大統領は軍事に精通していることとし、国防相など重要3閣僚は軍の最高司令官が選ぶと定めている。議会は軍事色が強くなり、独自の活動は期待できない。

 資源外交を通じで関係を強めている中国やインド、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国は、選挙を「一歩前進」とする。一方、米国や欧州連合(EU)諸国は批判し、結果を受け入れないだろう。日本はその中間の微妙な立場を取り、政府の途上国援助(ODA)も続け、世界から中途半端だと言われている。

 だが結局、国際社会は中長期的にはなし崩し的に現状を追認するしかなく、軍政の思惑通りに運ぶ可能性が高い。

 ビルマは天然ガスが豊富で、レアアース(希土類)もあるとされる。だが外貨は軍政ばかりに流れ、国内産業は育たず、中産階級も増えていない。そんな中で民主化を進めるのは大変な作業だ。

 国民は、今は行動を起こす時ではないと思っているのだろうが、民主化を求める人は多いはずだ。国連が働きかけを強めれば、軍政も無視できない。日本など世界各国は民主化や人権状況改善の必要性をしつこく言い続け、国民の思いを支えないといけない。(聞き手・中野渉)(朝日新聞2010年11月8日付国際4面14版)

posted at 10:47:44 on 11/08/10 by suga - Category: World

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